岡本クリニック

小さな疑問（２）

排卵は、毎月、左右の卵巣から交互にしているのですか

・・・いいえ違います

基本的には、両方の卵巣の、いくつかの卵胞が競い合って、

いちばん発育の良い卵胞から、卵子がひとつ排卵します

だから、たまたま左右の卵巣から交互に排卵したと思われる方もいれば、

右ばかり…左ばかり…という方もいらっしゃいます

まあ、機械じゃないので、左右順番に…とはいかなくて、

当たり前といえば当たり前のことですよね

でも、初めてこの事実を知ったときには、私はちょっとびっくりしました

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師Ｋでした

小さな疑問（１）

基礎体温が上がったら、排卵は必ずしているのですか

・・・いいえ、そういうわけではありません

基礎体温が上がるのは、プロゲステロンというホルモンの作用です

排卵すると、プロゲステロン値が上がるので、

基礎体温が上がったということは、排卵がうまくできたという予測はたちますが、

『必ず』とは言えません

また、体温に影響を与える要素は、他にもいろいろあります

気温とか、風邪っぽいとか、睡眠時間とか・・・

でも、基礎体温は身体のリズムを知るために大切な情報です

頑張って測定して、診察時には基礎体温表をお持ち下さい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師Ｋでした

排卵誘発剤の注射薬って・・・！？

岡本クリニックで、主に使っている排卵誘発剤の注射薬３種類をご紹介します

　フォリスチム・・・遺伝子組み換え型の卵胞刺激ホルモンです

　　　　　　　　　　　　注射の時の痛みは、この中ではいちばん少ないです

　　　　　　　　　　　　値段も、この中でいちばん高価です

　　　　　　　　　　　　自己注射用のペン型注射器があります

　フォリルモンＰ・・・閉経女性の尿を材料にしている、卵胞刺激ホルモンです

　　　　　　　　　　　　　患者さんに聞いてみると、注射の痛みはあまりないようです

　ｈＭＧフジ・・・閉経女性の尿を材料にしています

　　　　　　　　　　卵胞刺激ホルモン＋黄体化ホルモンです

　　　　　　　　　　注射は、ちょっと痛いみたいです

注意事項・・・

　　いくつもの卵胞が育つことで、卵巣が腫れて、

　　下腹部痛やお腹の張りなどがある場合があります

　　気になる症状があれば、すぐに教えてください

それぞれの使い分けは、とても複雑で、ココでは書きつくせません

ひとことで言えば、患者さんの年齢、卵巣機能、卵胞の大きさ、ホルモン値・・・

さまざまな情報をもとに、医師が決めています

また、何でも聞いてくださいね

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師　Ｋでした

排卵誘発剤の経口薬って・・・！？

ここ岡本クリニックで、

主に処方している排卵誘発剤の経口薬を２種類ご紹介します

セロフェン（クロミフェン）

　一般的な薬で、多くの方に処方しています

　子宮内膜が薄くなったり、おりものが少なくなる場合があります

　そのような場合には、セキソビッドや注射薬をおすすめしています

セキソビッド（サイクロフェニル）

　効果が穏やかなので、セロフェンよりも錠数を多く飲んでもらう必要があります

　子宮内膜が薄い方、おりものの少ない方に処方しています

使用方法は・・・（セロフェン・セキソビッドとも同じです）

　　　生理５日目から、５日間内服してください

　　　生理１０～１２日目ごろに、診察を受けてください

　　　　超音波で卵胞の大きさを測定したり、排卵検査薬を使って、

　　　　排卵日を特定していきます

　　　排卵日の頃に、タイミングを合わせるか、人工授精をします

　　　排卵日の数日後に、診察を受けてください

　　　　超音波で、きちんと排卵したかどうかを確認します

　　　黄体ホルモン剤を処方します

　　　　子宮内膜の条件を整えて、着床を助けます

　　　妊娠したかどうか・・・次の生理が来るかどうか・・・

　　　　基礎体温表をつけながらお待ちください

簡単に書きましたが、お一人おひとりにしっかり説明させていただきます

また、お気軽に声をかけてくださいね

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師　Ｋでした

排卵誘発剤って・・・！？

まず、排卵のしくみについて、少しご説明します

月経周期のはじめのころ、頭から卵巣に向けて、卵胞刺激ホルモンが出ます

卵巣は、卵胞刺激ホルモンで刺激されて、卵胞が育っていきます

卵胞は、発育していく過程で、エストロゲンを分泌します

　エストロゲンは、

  子宮頚官粘液を滑らかにして、精子が子宮の中に入りやすくしたり

  子宮内膜を厚くして、着床のための準備をしたりします

排卵の頃、頭から、黄体形成ホルモンが出ます

黄体形成ホルモンの作用により、排卵がおこります

　通常は、いちばん発育の良い卵胞がひとつ排卵します

排卵後の卵胞は黄体となり、プロゲステロンを分泌します

　プロゲステロンは、子宮内膜を着床しやすくしたり、

　基礎体温を上昇させたりします

さて、本題の排卵誘発剤ですが、わかりやすく単純に言うと・・・

経口薬は、の「頭」を刺激します

　それによって、卵胞刺激ホルモンの分泌が　　して、

　卵胞の発育も　　することをねらいます

注射薬は、やの「頭」から出る、

　卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンそのものです

　直接卵巣を刺激するので、経口薬よりも効果は　　と言われています

　しかし、効果には個人差があります

前置きのほうが長くなりましたが、今回はこのへんで・・・

それぞれの薬の種類や特徴は、また後日・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　                              　看護師　Ｋでした

排卵日って・・・！？

まず、皆さん、自分の排卵日ってわかりますか

順調に生理のある方ならば、生理が終わって数日したら、排卵日です

自覚症状のある方に聞くと、おりものが多くなる、何となくお腹が張る、

下腹部痛がある、胸が張る、頭痛や吐き気がする・・・いろいろあります

もちろん自覚症状がない方(気づいていない方)もいっぱいいらっしゃいます

ちょっと自分の体をじっくり観察して、排卵日を感じてください

そして、排卵日ってなんだかご存知ですか

排卵日とは、卵巣から卵子が飛び出る（）日です

この日に合わせて性交渉をもち、

良い卵子と良い精子が出会うことで妊娠が始まります

・・・・・・逆に言うと、タイミングが合っていなければ妊娠はしません

でも、自分の排卵日っていつなんだろう

自覚症状はないし・・・自覚症状だけじゃ不安だし・・・

そこで、まず基礎体温を測ってみることをおススメします

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師　　Ｋでした

卵の通り道『卵管』について～その①～

前回のお話の続きになりますが、卵は卵巣で蓄えられ、成熟し、排卵された後

卵管を通って着床の場である子宮にたどり着きます

今回はその卵の通り道”卵管”についてお話していきたいと思います

では、いつも通り形や大きさからお話します

卵管の長さは10～12cmです

もちろんその名の通り管状になっています

直径が約60μmの卵にとっては、とってもとっても長い道のりですよね

(精子の時にも並べてみましたが(笑)12cmだと卵は2000個並びます)

卵管の先(卵管采)はイソギンチャクのようになっていて

腹腔に排卵された卵をキャッチできるようになっています

そして、そこから卵管の中を子宮の方へ向かって流れている卵管分泌液の流れにのって卵は子宮に向かって移動して行きます

次回は、卵管の内部をもう少し詳しく見ていただきたいと思います

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした