岡本クリニック

顕微鏡下精巣精子採取術 11月より、日帰り手術が可能となりました。

 

  

     

無精子症の中でも、精巣で精子を作る機能が低下している非閉塞性無精子症の場合、

精巣のサイズは小さく、精子も精巣の極一部でしか作られていないことも多くあります。

顕微鏡下精巣精子採取術のメリットは、精巣から精子を採取する手術を行う時に

顕微鏡で視野を拡大し、精子を採取できそうな部位を見分けて採取できるので、

ピンポイントで手術部位を定めて手術ができ、 将来のために男性ホルモン精巣の

機能をできるだけ温存することが可能となります。

デメリットは、顕微鏡を使わない手術に比べて、時間がかかることと、コストも

高くなることですが、当院の男性外来を担当されている先生方は、すべて、

この手術の経験豊富なエキスパートですので、ご安心ください。

ご希望の方は、少しでも早く(少しでもお若い時に)手術を受けていただいた方が

精子を採取できる可能性が高くなりますので、男性外来でご相談ください。

 

＝＞男性不妊外来

精子や卵子の見た目って・・・！？

体外受精・胚移植や人工授精をされている方は、

ご夫婦の精子や卵子や受精卵を目にされる機会が度々あります

そんな時、「奇形精子」とか、「Ｃランクの・・・」とか、

ちょっとイヤな響きの言葉を聞くことがあるかと思います

しかし、これは、飽くまでも見た目なので、

この条件で妊娠されたら、元気な子が生まれてこないのではないかしら・・・

なんて心配はいりません

ただ、妊娠率を見ると、ＣランクよりはＡランクの方が妊娠率が高いし、

精子の条件でも妊娠率が左右される場合があります

しかし、妊娠されれば、ＡランクでもＣランクでも一緒です

ご夫婦の可愛いベビーちゃんですね

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看護師Ｋでした

o 無精子④

不妊の原因～男性編　無精子症④

閉塞性無精子症には、先天性（生まれつき）のものと、

　　　　　　　　　　　　　　　後天性（病気、怪我など）によるものがあります。

不妊の原因～男性編無精子症③

無精子症の原因には何があるのでしょうか？

その前に、少し精子の通り道をおさらいしておきましょう

精巣（精子を作る）70～80cmの屈曲蛇行した多数の管の塊→精巣上体（精子を運動させる）5～6mの屈曲蛇行した管の塊

→精管→射精管→尿道（射精）

という風に長い道のりを経て射出されます

無精子症とひとくちに言ってもその原因は様々ですが、大きく分けると

閉塞性無精子症

　精管など、精子の通り道が何らかの原因で詰まっている状態。

非閉塞性無精子症

　精管など、精子の通り道は異常ないけれど、精巣機能に何らかの問題があり、

　精液中に精子がいない状態。

に分けられます

これらの場合、精巣精子採取術（TESE）が必要となります

このグラフは、当クリニック（関連病院を含む）で、TESEをされた方の内訳です

無精子症の患者さんのうち、７０％の人が非閉塞性無精子症、

３０％の人が閉塞性無精子症と診断されています

ということはつまり、「不妊の原因～男性編②」より、男性外来初診の患者さんのうち、

約１３％の人が非閉塞性無精子症、約６％の人が閉塞性無精子症ということになります

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

不妊の原因～男性編無精子症②

それではまず初心に戻って、

精子を作るところ（精巣）について軽くおさらいしておきましょう

正常な精巣（睾丸）はおよそ3cm×4cm×2.8cm、重さは8～10gのたまご形です

卵子は、胎児のときに作られ、排卵までそのままの状態でとどまっているのに対し、

精子は、精巣で１日3000万個ほど毎日絶え間なく作られます

それと、精巣は打撃に弱いですが、温度にも弱いって知っていましたか？

例えば、停留精巣や40℃以上の高熱などによって、温められると

精子形成が抑制され、無精子症（非閉塞性無精子症の1つ）になることがあります

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

不妊の原因～男性編 無精子症①

しばらく間があいてしまいましたが、今回は無精子症についてお話したいと思います

無精子症とは、読んで字の如く、射出精液の中に精子が全く出てこない症状です

なので、自然に妊娠する可能性は極めて低くなります

まれに、治療により改善することもありますが、ほとんどの場合、

精巣から直接精子を採取する手術（TESE）が必要になります

当クリニックでは１９９４年から無精子症に取り組んできました

『不妊の原因～男性編②』のグラフより、初めて男性外来を受診された方のうち、

約２０％の方が無精子症と診断されています

そして、右のグラフは当クリニックの

TESEにおける精子の有無を示しています

約６０％の人は精子が見つかりましたが、

約４０％の人は精子が見つかっていません

TESEをすればみんな精子が見つかるというものでもないのです

これから少しずつですが、詳しく説明していきたいと思います

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

不妊の原因～男性編③

それでは、今回は射精障害についてお話したいと思います

射精障害には以下のもの等があります

　①逆行性射精　　 　　 （膀胱内に射精されるため、射精液がほとんどない）

　②無射精症 　　　 　　 （一度も射精がない）

　③膣内射精障害　　　 （勃起はできるが、膣内射精ができない）

　④薬剤性射精障害　　（向精神薬・高血圧治療薬・抗潰瘍薬を服用）

これらの場合、自然妊娠は難しくなります

「なんかおかしいな･･･」と少しでも感じたら、泌尿器科を受診してみてください

当クリニックでは男性外来もあるので、気軽に来てみてくださいね（要予約）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

不妊の原因～男性編②

では今回は男性因子を少し詳しくお話したいと思います

『精液検査について』でお話した、

WHOの精液正常値を思い出してください

　乏精子症とは、精子濃度が正常値に満たない場合で、

　精子無力症とは、運動率が正常値に満たない場合をいいます

これらには、軽度なものから、重度のものまでありますが、

基礎疾患としては、①精索静脈瘤、②停留精巣、③内分泌障害などがあげられます

手術や薬の服用などで、改善する場合もありますが、

精液所見よっては、人工授精や体外受精（顕微授精）を選択する必要があります

当クリニックで、男性外来を初めて受診された方のうち、

約半数は乏精子症、もしくは精子無力症と診断されています

では次回は射精障害についてです　　　　　　　　　　　でした

★卵と精子のプロフィール☆

遅くなりましたが、まずは、精子と卵子の自己紹介です

男性は性成熟を迎えてからどんどん精子をつくります

しかし、女の子はお母さんのお腹にいる頃(妊娠約1ヶ月後の胎児)からすでに女性として卵を作り始めています

だから女の子はおませさんなのでしょうかね(笑)

では、サイズですが、もちろん精子は目では見えません

1個の大きさは約60μmなので…縦に17個並んでやっと1mm超えるくらいなんです

卵子は約120μmなので8個で1mmくらいになります

ジーッ と見れば　・ (点)　に見えるんですよ

精子と卵子はこんなにも大きさが違うんです

さらに、数でもこんなに違うんです

自然では卵子は基本的に毎月1個の排卵ですが

精子は1回の射精で数億も出てくるんです

卵子1個に、ものすごい競争率でたどり着いた先着1個が

受精という大舞台に挑むのです

まずは精子卵子の自己紹介でした

次はもう少し詳しいお話書きたいと思います

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

精子受精能検査

濃度や運動率などを調べる精液検査ではわからない精子の能力があります。

それが受精能力です

『精液検査について』に載っている基準を満たしていても、受精能力を持っているとは限りません

受精のとき、精子は卵子の透明帯という殻の部分を破って（イメージしやすく、破って、といいましたが

実際には少し違います）、中に入っていきます。

このとき精子は頭の形を変え、様々な酵素を出し（先体反応といいます）、透明帯へ潜りこんでいきます。

これができないと、自力で卵子と一緒になることができません

そこで、精子にこの力があるかどうかを調べる検査が精子受精能検査（アクロビーズテスト）です

精子受精能検査では、特殊なビーズと精子を反応させ、

どれだけ多く結合しているかで精子の受精能力の高さを知ることができます

精子受精能検査の結果が不良な場合、精子が卵子の中に入るのに手助けが必要なため、顕微授精の適用となります

↑　黒く丸いものがビーズで、その周りの色の薄いものが精子です。たくさんのビーズと精子が結合しているのがわかります

↑　精子と結合していないビーズです。結合していないものが多いほど、受精能力が低くなります。