岡本クリニック

不妊の原因～男性編①

妊娠を望んでいるカップルのうち、約割の方が不妊で悩んでいます

そして、その中の約～割の方は男性に問題があるのです

当クリニックでは、

人工授精を受けられている方では２３％、

体外受精では３５％の方が男性因子です（患者様あたり）

男性因子には以下のものがあります

乏精子症

精子無力症

射精障害

無精子症

　詳しい説明はまた後々していきたいと思っています

少し前までは妊娠することができなかった方々も、治療によっては救えるケースも増えてきています

まずは、精液検査をしてみましょう　　　　　　　　　　　　　でした

精液検査について

精子と卵子の自己紹介をしようかと思っていたのですが

前回、精液検査の器具のお話だったので・・・・・

今回は少し具体的な精液検査についてお話しすることにしました

まず、精液検査は、採取していただいた大切な精液を前回ご紹介した、マクラーカウンティングチャンバーでカウントします

検査のための採精は、精子の数や、運動性を通常に保つため、～日の禁欲期間が必要です

精子は精巣で作られてから射出されるまでに約3ヶ月かかります

ですので、前日の生活状態というよりは数ヶ月前からの状態が重要なことを覚えておいてくださいね

また、精液中には精子の働きを抑える成分が含まれているので、あまりに時間が経ち過ぎると正確な結果が出ません

来院されての採精をおすすめしますが、自宅採精される場合はなるべく早くご持参下さい

そして実は、精液については各施設ではなく世界で基準が決められているのです

精液所見の正常値は

精液量           ⇒2.0ml以上

精子濃度       ⇒1mlに2000万個以上

前進運動精子⇒50%以上

正常形態精子⇒30%以上

白血球　　　　 ⇒1mlに100万個未満

                                                          WHO(世界保健機関)1999ヨリ

これを満たさない場合に不妊の原因と考えられます

次回こそは、精子と卵子の自己紹介をしますので乞うご期待を

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でした

精液検査に使う器具

培養室の仕事はいろいろありますが、精液検査も大切な仕事の１つです

精液検査はマクラーチャンバーという器具を使って行っています。

顕微鏡で見ると、中心に１００マス（１０×１０）のマス目が見えます

←顕微鏡で見たマス目です。黒い粒々が精子です。

中心に精液を一滴落として、このマスの中にいる精子の数をカウントすることで、

精液濃度や運動率、奇形率、白血球数を測定することができます

たとえば、１０マスに３０尾の精子がいた場合、

精液濃度は３０００万/mlとなります。

また、運動している精子が１５尾だと、運動率は５０％、というようになります。

同じようにして奇形率も出していくことができます

以上、マクラーチャンバーの簡単な使い方について、でした